テレビアニメ:『妄想代理人』

平沢進が音楽担当ということで『妄想代理人』を観ました。

 

オープニング『夢の島思念公園』は不穏な歌詞に不穏な映像。

背景は荒れているのに登場人物は笑っているという

かなり不気味なシーンに続き

ローラーブレードを履き、バットを持った少年が登場。

 

初見ではそれぞれが誰かまだ分からないので

気味の悪さが増します。

話数が進むと、次は誰かな?考える余裕が出てきます。

 

 

第1話で鷺月子が通り魔に襲われ、普通の推理ものか?という展開から

突然ぬいぐるみ=まろみが喋り出す。

月子の妄想なのか、現実なのかよく分からないまま終了。

 

「月ちゃんは悪くないよ」

「あの少年」

あたりが気になるセリフ。

最後まで観るとこの第1話でほぼネタバレしていたようなものですね。

 

次回予告の老人は支離滅裂な事を言っていると思っていたのですが

ちゃんと予告なんですよねえ。

 

 

特におもしろかったのは本筋とはほとんど関係ない

第8話の『明るい家族計画』。

あれ、どこから?と思ったら、結構はじめの方から仕掛けられていたので

気づいた時はびっくりしました。

 

あの3人でずっと幸せに暮らせたらよかったのに。

あとタイトルは世代によっては意味がわからないのでは?

と思う昭和生まれでした。

 

 

この話の中で少年バットは噂話として恐怖の

そしてある意味救いの存在となっていきます。

あいつが悪い=自分は悪くない という言い訳ですね。

そして存在が噂に近づいていく。

 

観たのはちょっと前で、新型コロナが猛威を振るう前。

今思うとこの噂の構造ってコロナ禍に似ているかも。

もちろんウイルスとしては確かに存在していて

それによって苦しめられている人も現実にいらっしゃいます。

 

でも噂が過剰な不安を呼んで、実態とは離れていく様子も感じられます。

疑心暗鬼になった人は少しでも自分の理想と違う人を見つけたら

こんな理不尽な目に合うなんて

自分は悪くない=あいつが悪い と異常なまでに攻撃するようになります。

 

噂に力を持たせないよう、正確な情報と

それを冷静に判断する頭が必要だなあと思います。