映画:『ローマの休日』

有名すぎる名作、やっと観れました。途中までは子供のころにテレビ放送で観たのですが、途中でお風呂に入りなさいと言われてそのまま。ずっと続きが気になっていたんです。名作と言われるのがよくわかりました。

 

まずオードリーがかわいい。かわいすぎる。冒頭から美しいんですけど、髪を切るシーンがとにかくチャーミングがすぎる。なんども言いますが、かわいい。オードリーかわいいわーと思っているだけで2時間過ごせる映画です。

 

オードリーの演技もいい。睡眠薬を打たれてふにゃふにゃなところもかわいらしいし、正気を取り戻して丁寧な言葉を一所懸命使うのもおもしろい。でもうっかり命令口調になっちゃうんですよね、王女様だから。真実の口の撮影シーンのエピソードは聞いた事があります。本当に食い千切られたような演技に、素で驚いたオードリーを撮影したとか。

 

新聞記者ブラッドレーを演じるグレゴリー・ペックもかっこいい。知的な雰囲気が素敵です。背も高いんですね。そりゃあ寝ぼけたアン王女もうっかりついて行くわけです。

 

そしてストーリーがいい。限られた時間だからこそより輝くこともある。分かっているけど切ないですね。

 

そして女性の自立の物語でもあります。アン王女は別れ際に振り返らないでと伝え、それを守るんですよね。ずっと最後まで。

 

特に靴使った表現が上手いなあと思いました。冒頭のアン王女は窮屈なハイヒールをドレスの中で脱いでしまいます。まだ子供っぽいところを残していること、苦痛な生活から脱出したいことを象徴していますね。そして市場で歩きやすいフラットシューズに履き替え、長い髪を切り自由になります。しかし「ガラスの靴を履いて、カボチャの馬車で姿を消すわ」と語るのは単にシンデレラになぞらえただけではなく、再び元の生活に戻ることを意味します。逃げるためにギターを振るう(特にここがかわいい)彼女は自分の意思で行動する事ができるようになりました。そして戻った彼女はもう大人です。ミルクもビスケットも要らない。最後は足元が見える服で登場します。自分の意思で自分の靴を履いたということの表明です。

 

逆に未練を残して振り返るブラッドレーの気持ちも分かります。もしかしてって期待しちゃいますよね。でも愛し合ったからこそ裏切れない、一生の信頼を得たわけですね。

 

いつか、どこかで、あの2人が再会できたらいいなあ。