映画:『未来世紀ブラジル』
『トータル・リコール』の前に観たのですが
感想を書くのを忘れていました。
『未来世紀ブラジル』はね、学生の頃
近所のレンタルショップで借りようとしたんですよ。
でも何故かいつも貸し出し中で、私にとっては幻の作品でした。
今敏の『パプリカ』を観て、世界観が似ているのではと思い出して視聴。
思った以上に『パプリカ』な世界観でした。
まず主人公サムが見る夢がおかしい。
甲冑に羽が生えていて飛んでいるし。
サムライ出てくるし。
それから出てくる人物がみんなおかしい。
強迫観念的というかちょっとずつ狂っている。
整形マニアの母とその友人が特に怖い。
そして世界もおかしい。
超管理社会なのにアナログな未来。
政府の権力は強く暴力的なのに、役所主義的な書類至上主義。
そして執拗なまでのダクト推し。
ダクトを非合法に修理するタトルが
何故反政府主義のテロリストなのかと思っていたら
ダクト=政府のメタファーなのですね。
作品の冒頭もダクトのCMで始まるし。
しかしロバート・デ・ニーロを贅沢な使い方するなあ。
変な人物ばかりの今作では彼が演じるタトルが
唯一まともで頼もしい。
サムの夢に出てくる美女を現実に見つけるところから
物語は動き出します。
だんだん夢と現実の境目が曖昧になってくる様子は
今敏が参考にしたんだろうなあという印象。
これを観たからには『1984』を読まないとなあ。
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